昔、23歳で創業した会社は結局41歳まで経営していて、
それを株式売却によって営業譲渡をするまで、
私の会社は「業界大手」・・・と日経新聞が書いてくれるようになったほど、
いつの間にか成長をしていたんです。
その間には、
2回ほど、同業他社を買収したりして、
それなりにいろいろな修羅場をくぐったりしてきました。
あるとき、倒産してしまっていた会社を買収しにいったとき、
対応したそこの会社の役員は、年のころは50~55歳くらい。
大柄でスーツをびしっと着こなしていて。
一方の私は、まだ30代後半。
どっちがその事業の救済に出向いているのか、一見わからない状態(笑)
当時、その買収の打ち合わせに一緒に立ち会っていた当時の女性社員に
こういいました。
「一見、私とあの人じゃあ、あの人のほうが頼りがいがありそうで、
仕事出来そうに見えるでしょ。
でもね、仕事が出来るかどうかの本質は、服装や見た目じゃないのよ。」ってね。
オフィスもそうです。リッパかぼろいかじゃない。
そこに漂う空気を見なくちゃ。
エセ大理石で作られた床や壁。(そこの会社がそうだったんです)
そんな見かけでだまされてはいけないのです。
どうして、そんなことをあえてその女性社員に言ったかというと。
当時の私は、日ごろから、なんとなく社員に私の判断や仕事を、
信頼されていないんじゃないかなーと言う気配を感じていたから。
昔も今も、私は世間の常識や、当たり前とされていることに対して、
それを真っ向から素直に受け止めるような性格ではなくて、
どちらかというと、
それよりこっちのほうが効果的。
とか。
あの人の言うことだから信用できる。
というより、
誰が言うかよりも何を言っているのか、
で物事を判断するタイプ。
つまり、世の中の人が四角い箱の中で考えていること以外の別の場所で、
自分なりの価値観や判断をしているタイプだったので、
はっきり言ったらきっと常識がないんですね。
当時の社員がよく私にこう言っていたんですよ。
「でも社長、普通の会社は○○ですよ」
「だって、社長、そんなの非常識じゃないんでしょうか。大丈夫ですか」
なんてね・・・
こういう風に言って来るの。
まあ、当時は、私も20代から30代のフレッシュ?な世代だから、
言いやすかったこともあるんでしょうけどね。
私はそんなとき、
「普通の会社ってどんな会社か言ってみて。いまどきマイナス成長してる会社なんて参考にならないんだけど。」
(当時不況で世の中がマイナス成長下、当時のうちは、二桁成長していました)
とか。
「常識でビル建てた同業者がいるなら教えて!」って返してましたけどね。
・・・もっとちゃんと親切にお話してあげればよかったのかな・・・
若気の至りですね。なんだか、恥ずかしくなってきます。
ただねー。それでも。
ずっと社長業をしてきたから、
社長って言う業種の人とお友達お知り合いになることが多くて、
その中でウォッチしていて確信すること・・・。
非常識であればあるほど、会社の経営はすごくいい。
って言うことです。
私の尊敬する某家具屋さんの社長も、
年に数回、家族ぐるみで海外をお供する関係です。
でも、いい意味で非常識です。それも、かなり・・・。
この家具屋さん、今、まさに飛ぶトリ落としてますからね・・・。
エピソードは、ご本人の名誉のために、伏せますが(笑)
一緒にいて、本当に驚くことばかり、触発されることばかりですよ。
だから、逆に、
すごく常識的で、ソツがなくて、非の打ち所がない人。
そんな人が、「独立しました」ってご挨拶にいらっしゃると、
大丈夫かなーってすごく心配になります(笑)
もっと言うと、
社長業を長く続けている人は、
やっぱり何かしらすごく優れているものを持っています。
人間のありとあらゆる「○○力」をいろいろな場面で、これでもか、
って言うくらい試させられるからです。
交渉力、営業力、説得力、調整力、包容力、理解力、洞察力、判断力・・・etc
でも、さらに言うと。
大抵の経営者は、とってもバランスが悪いです。
わたしもまたしかり、です。
たぶん、いくつかの「力」は秀でたものがあると思いますが、
それ以外のところは、普通の人よりも極端に低いんだろうな、って思います。
交渉力はあるけれど、○○力はまったくない、とかね(笑)
こういった「力」のバランスがいい人は、
きっと立派なビジネスマン、だろうと思いますが、経営者には向きません。
何でこういうことを思い出したかというと、
ここ数日、やはり、人と人との信頼関係を構築していくことって難しいな、
と感じるから。
特に、
「常識の固まり」「誰にも何も言わせないように」・・・という風土の中で仕事をしてきた人とは。
わからないでもないけれど、
そろそろねーと思わないでもないのです。
ちなみにね。
その人の仕事が本物かどうか見極めるヒントはね。
もちろんここまで言ってきてるんだから、見掛けではないんですよ。
・判断基準が一貫しているかどうか。
(どうでもいいところは多少ぶれてもいいけれど、そうでないところは意地でもぶれない)
・長いものに巻かれていないかどうか。
(ともすると、長いものに巻かれたほうが楽。あえてイバラの道を行く覚悟で仕事をしているか)
・ここだけは譲れない、という姿勢があるかどうか。
(比較的寛大寛容だけれど、つぼをはずすと、すごく怒る!)
まだ、もうちょっとあるけど、こんなことくらいにしておきましょう。